医心館 横浜都筑

私の母が週単位の予後となった時にこう話してくれました。「いつ死んでもいい。そう思う一方で、夜が明けると『一日生き延びたか。朝の薬を飲んで、10時になったらリハビリして、昼の薬を飲んで、先生、看護師、心理士と話をして、夕食がきて、20時になったら薬を飲んで寝る』って生きるための一日を考えるの。おかしな話だよね」。
これまで医心館で終末期の方々へのケアに携わってきた私ですが、母の言葉を通じて、死に関わる何らかの気持ちや考えを抱えて日々を過ごす方々の気持ちをより深く理解できました。
大切なことは、入居者様の日常を支えること。入居者様がご自身のリズムで生活し、ご家族やスタッフと何気ない会話を気ままに交わせる、良いも悪いも本音を話せる、笑う、楽しむ、泣く、そして眠る。入居者様は、がん末期や難病を患う状況にあり、それぞれの人生における終末期ケアが必要となります。医心館では、主に医療面から支える看護師、主に生活面から支える介護士がプロとして互いを敬い、協働してケアを提供しています。このことが、医心館の強みです。この強みをさらに伸ばし、入居者様やご家族の気持ちや考えをより深く理解すること、それぞれの方の何気ない日々の生活を支えるケアとは何かを考えること、その上ではじめて成り立つ入居者様本位のケア提供を目指しています。